わたしはいま30代ですが、職歴のほとんどが歯科助手。
何度も職場が変わっているので、その度に最初は《新人》を、
そして《教えられる側》を経験するわけです。
丁寧に教えてくれる医院もあれば、そうでない医院も結構ありました。
できれば、最初のうちは「手厚く」色々教えてほしいところですが、
- スタッフ不足
- 教える時間も余裕もない
- 新人さんをしっかり教育した経験自体が少ない
などの理由でおざなりにされることも少なくありません。
実はわたし、主任を経験したことがあり、長いこと《教える側》をやっていたこともありました(転職先にそのことは言いません)。
新人さんに対しては、最初に一通り教える作業って絶対に必要だと思うんです。
それが(1から10の内、3くらい)サラッと説明されて終わりだったところもあって「えっ、もっと詳しく教えなくていいの…?」と戸惑うことも多々多々。
加えて、
怒られたり、職場環境があまり良くなかったり…
そんな地雷案件な歯医者が何軒かありました。
そういう歯医者は新人さんにとってすごく働きづらかったりします。
新人さんが続かず、年がら年中求人をかけている歯医者も少なくありません。
このページでわたしの経験上感じた、
- 新人さんが働きづらい歯医者
- 地雷案件な歯医者
をまとめてみました。
わたしの今までの経験からまとめた内容ではありますが、そんなのでもきっと誰かの役に立つはずです。
# 新人さんが働きづらい歯医者【結構やばい】
❶医院の基本ルールをきっちり教えてくれない
特に未経験者は何もわからない状態で入ってくるわけですから、最初にしっかり1から10まで手厚く教えるのが通常の流れだと思います。
歯医者だけでなく、他の職種でもそうですよね。
経験者にとっても、各々の医院でルールも違うので職場が変われば当然そこの医院のルールを教えてもらわなければスムーズに仕事ができません。
細かい部分は追々だとしても、最低1から8くらいは教えておいてもらいたい。
ところが、時間の余裕がないことを理由に中途半端にしか教えてくれないことも少なくないんです。
例えば、その時に目の前にあることは教えてくれるけど、そこに付随したことはこっちから聞かないと教えてくれないみたいな。
それだと「このときはどうしたら?」ということになったときにその度に質問することになります。
経験者の場合は「経験でカバーできる」というアドバンテージがあり、教える側もそれを見越している場合もありますが、
未経験の新人さんは「わからないとこがわからない状態」なわけですから、安心して仕事をしてもらうためにも、
目の前のことだけでなく、色々付随したことも含めて、最初に1から10説明する必要があるわけです。
それに中途半端に教えられると何が困るって、酷いときだと「前に教えたよね?」とか教える側が言い出したりする場合があるんです。
「聞いてません」ってハッキリ言える新人さんならいいですが、普通は言えないですよね。
モヤモヤさせてしまうのは可哀想だし、モチベーションを下げてしまいます。
なので、基本的なルールは最初に一通り教えて「わからないことがあったらその都度聞いてくれていいからね」と伝えれば、教える側も教えられる側も安心だし、ストレスもない。
そして時間が経つと新人さんも「わからないことがわからない状態」から抜け出してきて段々質問が増えてきます。
さて、そのときに教える側から「いま忙しいから質問するんじゃねぇ…」っていう雰囲気が出てたらどうでしょうか。
❷質問できる雰囲気じゃない
- 「前に教えたよね?」
- 「忙しいんだから、自分で考えて動けない?」
- 「いちいち指示しないからね」
これらはかつてわたしが経験者として入った歯医者で働き始めて、1ヶ月経たないうちに言われた実際の言葉です。
わたしはこう言われて質問をするのがすごく怖くなりました。
確認の意味で尋ねたとしても、「(今聞くんじゃねーよ)」という雰囲気を出されたこともありました。
さすがに患者さんに説明しているタイミングを割って入っていくのはダメですけど、
基本的にはどんなタイミングでも、どんな質問でも答えてあげるべきだし、質問しやすい雰囲気を教える側は作ってあげるべきだと思います。
特に「教える時間がない」とか言ってる医院は《質問しやすい雰囲気づくり》は積極的にしたほうがいいですよね。
質問されて怒るとか、イライラするとか、間違ってもしないようにしないと、モチベーションを下げるだけに留まらず、せっかく雇ったのに逃げられます。
逃げるが勝ちの時代ですからね。
というか、確認と質問はミスがないようにするためのものだと思うので、一体どこにキレるポイントがあるのか、個人的には全く理解できませんが。
❸仕事中にマジギレされる
患者さんの前で平気でキレる先生はいます(完全に患者さんにも聞こえています)。
大きな声は出さないまでも、強い口調でグチグチ言われることも。
しょっちゅう怒らていると段々萎縮してきてしまい、怒られることが怖くて余計にミスをしたり、無駄に焦ってしまったり、いい事は1つもありませんでした。
新人のうちに起きるミスは指摘した上で改善させればいいのでは?と教える側だったときの経験から思うのですが…
一応、ミスはミスです。
でも「怒り」として伝えることが新人さんのためになるでしょうか。
確かに、忙しさからイラついたり余裕がなくつい口調が強くなってしまったりすることもあるでしょうが、それが日常的に繰り返されているとなると…
そうじゃない歯医者を経験している身としては「ストレスになるくらいなら、別にこの歯医者じゃなくてもいい」って素直に思っちゃいますよね…
❹昼休憩時間の搾取
就業時間を超えた分に関しては「残業代」として発生しますが、午前の診療が昼休憩の時間に食い込んだらどうでしょうか。
それに関しては「時間が短くなっても、ただ我慢するのみ」ですね。
医院によっては、時間を超えた分に対して配慮してくれるところもありますが、かなり稀。
大抵どこの医院も午前の最後の時間に予約を詰め込みすぎないように対策していることが多いです。
そうはいっても、急患が入ったりすれば時間内に終わらないこともあるし、「たまに」なら仕方ないと割り切れるかもしれません。
最悪なのは、それが毎日続く場合。
毎日のように午前の診療内に終わらず「忙しいから仕方ない」で片付けられ、我慢し続けなければいけないことに…
正直コレ、搾取と言っても過言ではない。
夜まで診療している歯医者はたいてい休憩時間が1時間半ありますが、それは1日の診療時間(労働時間)とのバランスを取るためであって、予備の時間として存在しているわけではありません。
そこを改善しようとしない歯医者には個人的にあまりいい印象を持ちません…
# 新人さんが働きづらい歯医者【そこそこやばい】
❶整理整頓されていない(ゴチャついている)
治療に使う材料は普段使う分と在庫の分を分けて置いている場合が多いのですが、それらをゴチャゴチャに置いてある医院がありました。
一応、場所は決められてはいるものの、
引き出しを開ければゴチャ…
在庫棚の中もゴチャ…
物がどこにあるか、わかる人にしかわからないみたいな状況。
やりづらい…
普段使う器具や材料は誰が見てもわかりやすく、そして出し入れしやすいほうがいいはずです。
新人さんも「○○取ってきて」という指示に対して整理整頓されているほうがスムーズに対応できるし。
整理整頓をおざなりにしている医院は個人的にちょっとどうかな…と思ってしまいます。
忙しくて整理整頓に手が回らなかったって、中の人は言うでしょうが、同じような状況でちゃんと整理整頓できている医院もありますからね。
ちなみに、今までわたしがお世話になった数軒の歯医者では、半数は整理整頓きっちり派、半分はゴチャ…って感じでした。
❷患者さんから見えない部分が散らかっている
《整理整頓されていない》の続編になりますが、
患者さんの目に入らない部分が散らかっている歯医者もありました。
ゴミがゴミ箱に入っていなかったり、床が汚かったり(明らかに最近の汚れではないなって感じ)。
スタッフルームが雑然としていたり。
わたしも若い頃は整理整頓の必要性をあまりよくわかっていなかったんですが、今ではわかります。
印象も悪いし、不信感を与えかねない。
キレイな環境のほうが気持ちよく働ける。
散らかった職場とキレイな職場、両方経験したら、圧倒的にキレイな職場のほうが働きやすいと感じています。
❸水分補給がしにくい雰囲気がある
あなたは仕事中に《水分補給する派》と《しない派》、どちらですか?
わたしは《水分補給する派》。
アラサーになったくらいから水分補給しないと無理になりました。
水分補給なしで5時間ぶっ通しとか、逆に体に良くないと思うんですよね。
でも中には「時間がないから」と飲まないで頑張っている人もいます。
そういう人が何人かいたり、極めつけはドクターが水分補給しない派だと、めちゃくちゃ飲みにくい雰囲気ができていたりします。
飲んじゃいけないなんてことは絶対にありません。
拷問か…
水分を取るとトイレの回数が増える可能性もありますが、一口、二口飲んだだけではそんなに変わりません。
スタッフルームに戻る暇さえない場合もあると思うので、裏に飲み物を持ち込んでいいか確認してみましょう。
新人のうちはそういう質問はしづらいかもしれませんが、時間が経つと逆に聞きづらくなる場合もあります。
(「飲み物ダメ」とか即退職案件ですけどね。)
❹トイレに行きづらい雰囲気がある
新人のうちに誰もが陥るであろう「トイレ問題」。
行くタイミングがわからず我慢しがちです。
何がやばいって「トイレに行くと怒られる」と思い込ませてしまう雰囲気ができてる場合ですよね。
真面目な性格の人ほど注意です。
これは人手不足などの問題があるので難しいところですが、
洗い物が終わったタイミングや片付けが終わったタイミングでササッと行ってしまえば問題ないのです。
(トイレにも行けないって、普通にブラックです。)
# 新人さんが働きづらい歯医者【ちょいやば】
❶給料日が休診日に重なったとき、前日になるのか後日になるのかハッキリ決まっていない
給料日がいつになるか、それが死活問題な人もいるでしょう(わたしもその一人)。
月末は家賃の振り込みもあります。
休診日に給料日が重なったときに、気まぐれで前日〜とか後日〜とかやられると困りませんか?
歯医者ってそういう雑なところがあるんですよね…
ちょっとしたことですけど、意外と気にしてるスタッフは多いです。
給料日が25日だとしたら、末日までの間に平日休みがないと銀行に振り込みにいけないわけですからね(わたしは直接銀行に行く派)。
一般の企業は予めどちらかに決まってますよね。
歯医者も全国で統一してほしいです。
❷有休取得率が低い(←これは自分次第)
わたしが今まで一緒に働いたことがあるスタッフの中でも《フルタイム》の人って、未婚か、既婚者でも子供がいない人が多かったんです。
そのせいか、まとまって有休を取るっている人が少なくて。
そういう環境だと、有休を取りづらい雰囲気ができあがっていたりします。
たまに求人広告で「有休取得率100%!」とかって書いてる歯医者がありますけど、ホントかな?って思います。
有休に関しては、歯医者だからとか1年目だからとか関係なく、条件を満たせば与えられるものと法律で決められています。
他のスタッフが有休を使っていなくて、取得しづらい雰囲気があったとしても、使う必要があるなら気後れすることなく使うべきだと思います(1ヶ月前くらいから申請しておけば安心です)。
ちなみに、有休は退職する際に残った日数を消化するのが通常です(一般企業はそう)。
医院にもよると思いますが、歯医者で「退職時に残った日数をしっかり消化させてくれる」みたいなことは…
あまり大きい声では言えませんが、(わたしの経験上では)望めないかな…と思っています。
何ていうか、うやむやになるっていうんですかね…
そう考えると、長く勤めていてあまり有休取ってない人ってやっぱり損?
有休が時効になってどんどん消えていってるって知ってるのかな?
(ちなみに、有休を取らないことをちょっとした自慢のように話してくる人はいまだにいる。)
# まとめ
独断と偏見も混じって細かい内容になってしまいましたが、
今までわたしが経験した中から、新人さんが働きづらい《地雷歯医者》をまとめてみました。
長くこれらの状況に身を置いて慣れてしまった人にとっては「こんなの許容範囲」と思うかもしれませんが、
じゃあそれ外の人に「うちの職場こんなん!」って胸張って言えますか?って話です。
個人的には「わたし何でも我慢できます!」って人以外はこういう歯医者はおすすめしません笑
海野もちでした。