こんにちは、海野もちです。
突然ですが、
「歯ブラシ」について、いつもと視点を変えて考えてみました。
# 今年の4月に私は歯ブラシ交換のためのツールを自作して配布する活動をはじめた
歯の健康を維持するためには、毎月の歯ブラシ交換が欠かせません。
でも、まだまだその習慣が世の中に浸透していないのが現状だと思います。
わたしは歯科助手として歯医者で働いてきて、そこのところを内側からどうにかできないかな?とずっと思っていました。
そこで考えたのが、歯ブラシを交換したことをチェックできるシール。
シンプルなシールですが、このようなツールはたぶん今までどこの会社でも作ってなかったものじゃないかなと思います。
なぜなら、私は歯科助手として去年まで通算12年くらい働いてきたので、そういうツールがあったらすぐわかったはず。
念の為、事前にネットでもリサーチしました(ヒットせず)。
そんなわけでシールを自作して、まずは周辺から、ということで2018年4月から配布を開始。
シールの存在や交換の習慣を少しでも知ってほしくて、このブログとツイッターで公開(画像付き)しました。
公開して1ヶ月くらい経った頃。
なぜだか、大手の企業から類似シールが”とある会”の会員向けに「抽選」という形で配布が行われるという情報を知ることになります(偶然私もその会員だったのでメールで知った)。
詳細については割愛しますが、とりあえずモヤモヤしたまま活動できないので、ブログで公開した記事は非公開に、ツイートは削除しました。
配布活動を続けるべきか、記事も非公開のままにするのか。
悩んで、また1ヶ月くらい経った頃。
歯ブラシとは一見関係なさそうなジャンルのニュースが目にとまりました。
そのニュースを見て、わたしは自分の視野の狭さに気づくことになります。
# 「スタバ、プラスチックストロー廃止」のニュースをみて、無期限の配布活動休止を決意
2018年7月。
スターバックスコーヒーが、環境に負担が大きいとされる《プラスチック製のストロー》を2020年までに世界中の全店で完全廃止する、というニュースを発表しました。
プラスチックのほとんどは(焼却してから)土に埋めたとしても、燃えカスは自然に分解されることがありません。
厳密にいうと分解はされるけど、何十年、何百年とかかってしまいます。
最近、ローラもインスタで海面いっぱいに広がるゴミの画像をアップしたりして環境問題を取り上げています。
同じ海関連で言えば、一部の日焼け止めの成分が含まれた日焼け止めがサンゴに有害なため、ハワイで禁止されることになったニュースも記憶に新しいです。
海に直接ゴミが流れてしまうと生き物への影響や環境そのものへの影響もありますよね。
日本は自治体によってゴミの分別方法は違うと思いますが、わたしのところはプラスチックは可燃ごみの日に出すことになっています。
焼却してカサを減らしたあと、埋立地に燃えカスを埋めることでわたし達が出したゴミは処理されているわけです(参考 : 東京都環境局〜『ごみが埋立処分されるまでの流れ』←画像付きですごくわかりやすい)
繰り返しになりますが、
厳密にいうとプラスチックは全く分解されないということではないまでも、生ゴミと違って土に埋めても分解されるのに何百年もかかります。
埋め立てたりしてるのに、
じゃあ海に行き着くゴミはどこから?
と、思いますよね?
海に行き着くゴミは、埋め立てたゴミとは出処が別です。
そのへんでポイ捨てしたゴミが雨や川で流されて最終的に海に行き着き、それが集まったのが海のゴミ。
ちなみに「劣化してボロボロになること」と「分解」は別もの(分解は微生物によっておこなわれます)。
マイクロサイズになっても、プラスチックはプラスチック。
海に漂うそのマイクロプラスチックを取り込んだお魚をわたし達は食べている可能性だってある。
生き物そのものを傷つけるケースもたくさんある。
プラスチックは、
●分解されて土に還るのに何百年もかかる(環境に負担が大きい)
●海そのものが汚れる、生き物を傷つける
だから、少しでも環境の負担を減らそうとスタバはプラのストローをやめることで、環境問題に取り組もうとしているわけです。
(いや、そしたらカップとかも全部紙にしろや、みたいな話はここでは割愛)
プラスチックが問題なら、歯ブラシも例外ではない。
わたしはそう思いました。
歯ブラシは《フルプラスチック》みたいなもの。
しかも、それを「1ヶ月に1回交換しよう」って今まで言ってきました。
わたしはそこにだんだん違和感を感じるようになりました。
交換の習慣づけを推進するのも大事だとは思いますが、その前にちょっと考えないといけないことがあるな、と。
なのでこの問題が解決するまでは、とりあえずシールを広める活動は休止することにしました。(シールに関する記事も非公開で)
# 従来のプラスチック製の代わりにスタバがどんな素材のストローを使うのか。そのうち歯ブラシへも風当たりが強くなってくる
ストローが騒がれている中で、形が似ているせいか、プラスチック製の歯ブラシも問題だということをすでに一部の人が言い出ています。
歯ブラシへの風当たりが強くなるのは、時間の問題かもしれません。
1ヶ月に1本ということは、年間1人当たり12本の歯ブラシを捨てることになります。
東京だけでいうと、もし全員毎月歯ブラシ交換をしたとしたら、1年間で捨てられる歯ブラシは1億6500万本…?(計算合ってるか不安)
東京だけで考えても、想像できない量です。
これらが分解されずに環境に大きな負担をかけているとしたら、分解される素材にすぐにでもしたほうがいいですよね?
スタバはいま、プラスチックに代わるストローの素材を検討しているらしく、有力候補は紙製なんだとか。
水に浸けても、結構何時間か保つらしいです。
でも、さすがに毎日使う歯ブラシは紙製にはできません。
ストローと違って何回も濡れることを前提にして素材を決める必要があります。
そんな素材あるの?
# 結構前から《環境への負担が少ない材質》の歯ブラシは売られている
実はそう考えた人がずっと前にいたみたいです。
自然分解される素材で作られた歯ブラシがすでに売られていました。
その素材は「竹」。
あの竹。
かぐや姫の。
竹が歯ブラシに使われてるとか、ちょっとびっくりですよね!?
わたしも最近まで全く知りませんでした。
でも、それもそのはずなんです。
この物が溢れかえってる東京でさえ、店頭で置いている店はほとんどありません。
(わたしが見に行ったのは東急ハンズでしたが、置いてませんでした。)
置いてそうなお店をググりましたが、ほとんど出てきません。
単に注目されていないのではなく、そもそも需要がないので《店頭で置いてない→存在が認知されない》なのです。
アマゾンとかネットにはあります。
でも、高い。
需要が広がっていない上に、プラスチックに比べて、作るのにコストがかかるせいだと思いますが、それにしても高い。
百均でも竹を使ったお皿とか最近出てきてるのに。
このままじゃ、マニアックな人やオーガニック好きな人にしか受け入れてもらえません。
プラスチック製の歯ブラシより多少は価格が上がるとは思いますが、海や環境に対しては値段がつけられないわけです。
少し上乗せになるくらいは個人的には全然いいと思います。
もし今後、自然環境への負担が少ない素材で、さらに形状や毛質をある程度現状を維持できた歯ブラシを製造できる国内メーカーが現れたら、
あとは絶妙な小売価格を設定できれば、国内需要だけじゃなく国外の旅行客も爆買いする商品になると思います。
すでに日本の歯ブラシは世界的にも人気です(よくヤマダ電機で歯ブラシが爆買いされてるのを見かけます)。
日本は技術でも品質でも、トップレベルですからね。
国内の歯ブラシメーカーさん、
取り掛かるなら早めのほうがいいです。
# 歯の健康のために歯ブラシは毎月交換する←正しい。でも環境への負担が少ない歯ブラシを当たり前化する必要があるのも事実
これまで当たり前に「1ヶ月に1回歯ブラシ交換」をすすめてきました。
でもこれって、使い終わったあとのことは完全に無視した習慣なんですよね。
確かに、歯の健康を守るためには、歯ブラシがキレイに汚れを落とせる期間を守って、こまめに交換することは「大事」だし、「正しい」です。
でも、スタバのストローのように、歯ブラシも環境への負担を無視できなくなってくる時代がそこまできていると思います。
いきなり素材を変えることができなければ代替案を考えたり、
歯ブラシや歯科にかかわっているわたし達ができることを順番にやっていくことが、
それがいま必要なのです。
地球にとって、いまのプラスチック製の歯ブラシってどうなの?って話でした。
海野もち